平成12年11月25日
  元祖水ロケット(小)&雲発生装置(中)
                       名古屋市立鶴舞小学校 伊藤 亮吉
 最近こそブームが去りましたが、一時はすごい人気であった水ロケットです。この原理はとても簡単なのですが、発射装置の工夫が専門的になりすぎて学校現場では普及しませんでした。しかし、簡単な原理だけを使った装置なら、楽しい理科が強調されるようになった小学校3年「くうきと水」(14年度からは4年生)の学習でも活用できると思います。
 また、ロケットとしてではなく、反対に置けば断熱膨張をさせることができるので、中学での雲発生装置として活用できるものです。(この場合、ロケットは飛ばないで栓が飛ぶ。その時ペットボトル内に雲ができる。)
水ロケットが飛ぶわけ
【水ロケットに関係する空気(気体)の性質】
 
 @ 空気は場所をとる。
 A 空気は押し縮めることができる。
 B 押し縮められた空気は元へ戻ろうとする。
  私たちの住んでいる地球上では大気圧が1気圧です。
 そこへ、さらに1気圧分の空気を詰め込むと、体積は
 変わりませんからそとへ向かって1気圧分の圧力がか
 かります。容器に出口があればこの差を解消しようと
 して中から外に向かって空気が流れ出ようとします。
 
 
 【水ロケットに水を使う理由】
  空気が容器の外へ飛び出すとき、反作用で容器自体が
 空気のでる方向と逆向きに飛ぶことになります。ですか
 ら空気だけでも飛ぶのですが、空気の質量は大変小さい
 のでそんなに大きな力はでません。そこで水を入れて大
 きな推進力を得るようにしたのです。
 
【水はどれくらいが適当か】
 水が多ければ多いほど長く推進力が得られるのですが、重力に逆らって飛ぶため、あまり重いと自身を持ち上げるためにエネルギーを使ってしまいます。実験によると1.5L入りのペットボトルで約600mLの水を入れたときがよく飛ぶようです。
【発射装置の役割】
 発射装置はちょうどシャンペンの栓を抜くようなものです。栓を抜いたとたんに中から圧縮された空気と液体がでてくることはよく経験されていると思います。この栓をどんな方法で抜くかということが発射装置の原理なのです。
【発射装置1】
 1番簡単な方法は、栓をきつく閉め、ポンプで空気を送り込んでやると、栓とボトルとの静止摩擦力を越える力(圧力)になったところで栓が抜け、水の噴出が始まる装置です。
【材料】 ・炭酸系の入っていた空ペットボトル
     ・ゴム栓7号
      (CCレモンは口が狭いので6号がよい。)
     ・ゴムボールに空気を入れるピン
      (自転車の空気入れで使うもの)
【準備】 ・自転車の空気入れ
   (圧力タンクのないシンプルな方が圧力が体感できる。)
 
     ・鉄製スタンド
【作り方】
 @ ゴム栓7号にドリルで1.5 oの穴をあける。
 A この穴がふさがる程度にゴム栓を差し込む。

 
【操作】
 
   
 @ 水を1/3ほど入れる。
 A 作ったゴム栓をはめる。(きつめにしめる。)
 B 鉄製スタンドにセットする。
 C 空気ポンプで空気を送り込む。
 D ロケットが突然飛ぶ。

 しかし、この方法ではいつロケットが飛び出すかわかりません。そこで、空気を入れた後、ボトルを密閉し、思うときに発射できる方法を工夫する必要がでてきます。
 そのためには自転車の空気バルブと水道ホースをつなぐコネクターを使う方法が、材料の入手のしやすさや値段の点からもっともポピュラーとなっています。
 
 
【発射装置2】
    

【材料】
・水道ホースをつなぐコネクター(オス、メス)
・自転車のチューブについている空気入れ口
・自転車のブレーキワイヤー
・ペットボトルのふた
 
【作り方】 
@
 
 A
B
 
 
C
 
 
 
@オスの方を分解し、ノコギリで(鉄のこでよい)ねじの部分を切る。
 切った面をサンドペーパーで平らにする。
 (平らでないと後で空気漏れを起こす)

 
Bペットボトルのふたの外側をサンドペーパーでこすり印刷をはがす。
 ふたの中央部に穴をあける。



 
C瞬間接着剤
(アロンアルファー)で写真のように接着する。
 2〜3日放置しておく。接着が確実になる。


 
@メスのコネクターを分解する。
A ねじの部分を鉄のこで切り落とす。
B 下図のように組み立てる。               
      
    
 
 

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